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田中和孝です。
数年前の話になりますが、前の職場の懇親会で、その時にちょっとした発見があったのでご紹介したいと思います。
それは懇親会に参加していた同僚のSさんという方の話ですが、その方は入社4年目の中途入社組でした(当時50歳手前くらいのご年齢)。
私は総務でしたので、その時の入社面接で同席させていただき、会社案内もした記憶があります。
Sさんは根っから明るく、場を和ませるのが好きで、食事会の席でも、とにかくどうでもいいような話(失礼)を面白おかしく話してくれます。
本人曰く、沈黙した時間が嫌いなんだそうです。
家庭の事情も身体もつらいのになぜ?
明るく振舞い、周りにもいい影響を与えているSさんですが、プライベートも特にうまくいっていると言える状況ではありません。
奥様とはギクシャクしているようですし、お子様の件でも学校で色々と問題があったようです。
職場でも重量物を扱う仕事なので、足腰を傷め、コルセットを巻き、年齢と戦いながら頑張られています。
こういう状況でしたら、私だったら職場でもへこみ、明るく振舞うことなど到底できないと思います。
私は「なぜSさんは公私含めて人生が順風満帆でないのに、そんなに明るく振舞えるのだろう。」と前からずっと不思議に思っていました。
今、目の前のことに…
そのヒントと言いますか、手掛かりが先の懇親会でお話した時に少しわかった気がしました。
それは、「今、携わっていることへの探求心を強く持つ」ことではないか…と。
Sさんは、職歴として全て把握しているわけではありませんが、
- 靴の卸会社での営業担当
- 農業法人での野菜栽培
- 金属加工工場(現職)
と渡り歩いてきており、それこそロスジェネ世代のあおりを受けた方かもしれません。
先日聞いた話では、靴の営業職時代には、街を歩くたびに通行人の足元ばかりをずっと見続け、どんな人が、どんな靴を履いているか、観察していたそうです。
しまいには、その怪しさから警察に職務質問も受けてしまったそうです。
それ程、観察している姿がやばかったのでしょう。
また、懇親会から電車で一緒に帰るときも、駅舎の鉄骨の構造や、電車内のつり革を取り付けている金属パイプの溶接部分だとか、そういうところに目がいって、なんかブツブツ言ってました。
現職業も金属を扱っているので、興味があったのでしょう。
(私なんかは何とも思いませんでしたが…)
おそらく農業法人時代も、農業(ハウス栽培)について、ものすごく探求心を強く持ち、創意工夫していたことは、想像に難くありません。
彼はとにかく、今携わっていることに一所懸命打ち込み、そこに興味を100%向けているのだと思います。
職歴も、靴営業→農業→金属加工とバラバラですので、「もともと○○が好き」とかではなく、「今携わっていることに興味を持ち、どうしたら良くなるかを考え続けている」という思考回路になっていると思います。
彼は、自分が携わっていることに、その瞬間、瞬間を楽しみながら、いい意味で回りが見えなくなるので、家庭やプライベートの諸問題は、彼に付け入る隙がない状態なのかもしれません。
これが、プライベートで何があろうが、会社の仕事が辛かろうが、いつも高笑いしているSさんの思考のメカニズムだと思いました。
悩んでも解決しないならば…
人間には誰しも大なり小なり悩みがあります。
しかし、悩んだからと言って解決するわけでもありません。
9割はムダな悩みだとも言われています。
好きではないかもしれないが、今携わっていることへの探求心を強め、そして好きになっていく…そしたら、余計なことで悩む隙も減り、ずっと前向きに笑っていられる状態を作れる。
いい年していじられキャラのSさんだったのですが、この世知辛い世の中で、実はすごく合理的な思考回路で、理想の生き方をしていると感じました。
今は連絡は途絶えているのですが、今もきっとどこかの環境で、目の前のことに没頭しながら、辛いことがあっても高笑いしつつ人生を楽しんでいることでしょう。
Sさんの生き方を真似してみたい、そう思った仲間との思い出でした。