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田中和孝です。
「誰にでもできることではなく、自分にしかできないことを提供して差別化していく」
これができれば、ラクに集客できると思うのですが、言うほどそんなに簡単ではないですよね。
たまに、人にはできない物凄いことができて、そのスキルをバリバリ使って集客されている方もいます。
たとえば人気講演家の方たちなどは、タイプこそ色々といらっしゃいますが、人を魅了する話術で開催するセミナーはいつも満員御礼状態です。それでたくさん稼いでいらっしゃいます。
そういう方は話の中で、「僕は特別なスキルなんかない。昔はダメダメサラリーマンだった。」などと昔の冴えてなかった自分の過去を話し、「だからあなたも必ず私のようになれる!」と熱い口調で語られます。
私なんかは「言っていることはわかるけども、そりゃ”あなただからできた”ということもあるでしょうよ」と思ってしまうわけです。
別にこのような講演家の方々を否定しているのではなく、聴く方の私たちの受け止め方を少し工夫しなければいけないということです。
言っておられることは間違いではないと思います。
講演家の方々は、私たちの中に眠っている隠れた才能に気づいてほしいためにこのようなことを話されているのだと思います。
もしかしたらそれは顕在化されているけれども、自分だけが気づいていない才能かもしれません。
はき違えないことが大切
私たちが、こういった成功者の話を聞いて勘違いしてしまうのは、「何か特別な強みを持った自分が、自分にしかできないこと」をやっていかなければならないと思ってしまうことです。
こう考えてしまうと講演会から帰ってきて、意気揚々としているのもつかの間、色々と考えた末に、「私は何もできない」「私には何もない」と落ち込んでしまうのがオチです。
ここで考えてほしいのが、「何か特別な強みを持った自分が、自分にしかできないこと」と捉えないでほしいということです。
そんな「自分しか持っていないもの」のみで戦える人などはそんなにいないと思います。
芸能人とかプロスポーツ選手とか特許を持っている発明家とかくらいですかね。
世の中の仕事を見回してみると…
大半の人は、誰でもできることをそれぞれ分け合って仕事をして生きているのです。
衣食住の分野などは、それを必要とする人が日本に1億人いるわけですから、それぞれ手分けして作業していかないと、国民全員にモノやサービスが行き渡りませんよね。
だから、「自分は誰でもできることしかできない」と悲観することもないのです。世の中に十分貢献していることですから。
しかし、国内で「手分けして作業している」状態でも、そこは競争が存在し、同業者よりもどこかで少し勝っていないと、選んでもらえないという事実はあります。
そこで「自分にしかできないこと」が必要になってくるのです。
ここで申し上げたいのは、「自分の仕事すべて=自分にしかできないこと」にする必要はないということです。
逆の表現をすると「自分の仕事すべて≠自分にしかできないこと」でいいのです。
「組合せ」で生まれる独自性
考えても見ると、世の中で売れている商品やサービスは、その着眼点やビジネスのスキーム(枠組み)が工夫されているものがほとんどではないでしょうか。
そのスキームの中を見てみると、「誰にでもできる仕事」の組合せになっていて、それを提供するターゲットに対し、適切な組合せで提供しているに過ぎないものがほとんどのような印象があります。
先日のブログでご紹介したタクシー会社の事例についても、「高齢者がいる家族」向けに「支払い履歴の共有機能のある決済システム」+「家族が料金チャージできるシステム」を提供して、家族が安心して運転免許を返納した高齢者の移動手段を準備するといった、今後ニーズがある独自のサービスが成立します。
個々のサービスを見てみると、タクシー事業者も多く存在するし、支払履歴共有機能や、料金チャージ機能など、どこにでも手に入れることができるシステムです。
これを組合せて、必要としているターゲット層に提供することが「独自性」として社会から評価されるのだと思います。
自分ひとりで全部やる必要はない
この一連の中で極端に言えば、自分にしかできないことは「このビジネスモデルのスキームを考え付くこと」だけです。
協力してくれるタクシー事業者を見つけたり、決済システムを見つけさえすれば、それでビジネス構築は可能となります。
何でも「自前」である必要はなく、アウトソーシングすれば済むことも結構あります。
逆に本当に1から10まで自分にしかできない仕事ばかりしていたら、病気ひとつできませんよね。
仕事が回らなくなり、お客様にご迷惑をお掛けすることにつながってしまいます。
このように「リスクの分散」という効果もあります。
「他に任せられること」と「自分にしかできないこと」を織り交ぜながら、結果的にそれが「自分にしか提供できないサービス」として社会に認めてもらう事がいわゆる「差別化」なのだと考えます。
ですから、あなたにもスキームさえ考え付けば、それが「あなたにしかできないビジネス」になるわけです。
変な捉え方をして、落ち込んでしまい、何も手につかないという状況は避けていきたいですね。